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前回の雪の女王では、実はカイが氷の欠片を組み合わせて作らなければ ならない言葉を思い出せませんでした。 「愛」だったような気がして、ほとんどそう書くところでしたが、 もしかして違うかもよいう気もどこかにあって思い止まりました。 いやほんとうに良かったです。 あとで、古い絵本を引っ張り出して確かめてみたら、 その言葉は「永遠」でした。 長い旅路の果てにゲルダは遂にカイのいる 雪の女王の宮殿に辿り着きました。 青ざめた頬をしたカイはその凍るような寒さを感じることなく 雪の女王の言いつけを守って、永遠という言葉を作り出そうと 氷の欠片をならべていました。 でもいくら並べ替えてみても永遠という言葉を作ることはできません。 ゲルダはカイに駈けより、抱きしめました。 涙がゲルダの目から溢れ頬を伝いカイの胸を濡らしました。 その涙は熱く、カイの心臓に刺さった鏡の欠片をも 溶かしたのでした。 するとカイはもとの優しい心を取り戻しました。 そのカイの目からもまた熱い涙があふれ出て、鏡の欠片も流しだしたのでした。 するとどうしてもできなかった「永遠」という言葉がひとりでにできていました。 カイとゲルダは懐かしい故郷の町へと向かいました。 故郷へ辿り着いた時、そこは昔のままでしたが、二人は大人になっていました。 |
